無効票だけでは当選できません(「支持政党なし」が無効票を狙っているという批判について検証してみる②)
少し間があいてしまいました。
私のツイッターアカウントにも、左右を問わずフォロワーさんが増えてきました。
ここまでツイッターに浸かっているのは初めてなのですが、やはり皆さん文章が簡潔で、うまい。
私みたいに回りくどい書き方だとあっという間に140字オーバーしてしまいます。
さて前回の記事
shijinashiouenn.hatenablog.com
の続き。
この記事の目的は、ツイッターにあふれかえっているように、
・本当に「無効票にするつもりで 『支持政党なし』とか『支持なし』とか書く有権者がたくさんいる」のか。
・そして政治団体「支持政党なし」が、それらの票をかすめ取るだけで当選できるだけの票を獲得できるのか。
を自分なりに検証します。
根拠なしに反論するほど面の皮が厚くないので。
欲しかったのは無効票の「内訳」。
ここから情報を得ることができました。
前回2013年および前々回2010年の参院選比例代表の無効票の内訳は以下のとおりです。
(出典-総務省自治行政局選挙部「参議員通常選挙結果調」枠、年次等筆者加筆)
青い枠は「立候補していない政治団体」が記載された票、
オレンジの枠は「何の関係もない落書き」が記載された票
です。
もうひとつ、
「支持政党なし」の政治団体としての登録状況です。
「支持政党なし」は前回の参院選公示直前に政治団体として設立されています。
ということは、『支持政党なし』『支持なし』と記載された無効票は、
①前々回については政治団体として設立されていない時期の選挙なので、明らかに「単なる落書き」であるオレンジの枠に含まれている
ということで、「支持政党なし」「支持なし」と書かれた可能性がある票は最大で234,878票。
これはもう最大の中の最大で、落書きの全てが「支持政党なし」「支持なし」だった場合です。
②前回については、政治団体として設立直後の選挙なので難しいし確証がないのですが、
②-1前々回と同様に落書きとしてオレンジの枠
②-2前々回はオレンジだったが、前回は政治団体の青い枠に分類された票
のいずれか、ということが言えます。
前回の票が②-1の形で分類されたのであれば、「支持政党なし」「支持なし」と書かれた票は最大で214,308票。
同じくこれは、落書きの全てが「支持政党なし」「支持なし」だった場合。
ありえると思いますか?
一方前回の票が②-2で分類された場合、
最大値は429,733票。
以下の条件をすべて満たした場合に
※前提①前回「他の政治団体名」を記載した票の全てが「支持政党なし」「支持なし」であった場合
前提②前々回「支持政党なし」以外の「他の政治団体名」を記入した票が575,111票あったにもかかわらず前回はゼロとなった場合。
前提③「落書き」の票数(オレンジの枠)が前々回と前回でほぼ同数である一方、落書きとみなされていた「支持政党なし」「支持なし」が政治団体として集計されることから、前々回は書かれていなかった類の「落書き」が突然20万票以上出現した。
これも無理があるとは思いませんか?
ただ、スウェーデンみたいに全ての投票内容が公表されるわけではないので、私が絞れるのはここまでです。
上記のとおり、ありえないような最大値をとったとしても、指をくわえて無効票を待っているだけでは「支持政党なし」は当選ラインに達しません。
だから彼らは現行のルール内でできることを総動員して、知恵を絞って選挙活動を行っているのではないでしょうか。
ちなみに白票は前々回、前回とも60万票台ですので、仮に「白票」党が認められて立候補したとしても、当選ラインには届かないのであしからず。